Q19. 変調を倍にしたら信号強度も倍になりますか
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ESR50Qs
光吸収スペクトルや赤外吸収スペクトルはベースラインと交差することのない吸収型の線型を示します。ESR信号はベースラインと交差する複雑な線型を与えますが、これは微分線型として信号を記録しているからです。微分線型として信号を記録するのは、スペクトルの分解能を改善するためです。そして、微分線型の信号を観測するために、磁場変調と位相検波という方法が採用されています。
磁場変調の強度には、ESR線幅に応じた最適の強度があり、それは本来のESR信号線幅と同程度から1/2程度です。磁場変調強度がESR線幅に比べて大き過ぎると、観測されるESR信号の線幅は磁場変調強度に比例して増加するのでESR線型が崩れ、分解能も低下します。変調強度がESR線幅に比べて小さすぎると、本来のESR信号は得られますが、信号の強度が弱くなってS/Nが低下します。最適変調幅までなら、ESR信号のS/Nは磁場変調強度の増加に応じて向上します。下図はESR信号の線幅と変調幅のプロットです。