Q03. 電磁波(電波)とはなに?

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携帯電話やテレビ・ラジオなど「電波」は身近な言葉です。でも、電波とはどういうものなのでしょうか?

電波・電磁波とは、光の仲間です。空間を伝わっていく電気(電界とか電場といいます)と磁気(磁場、磁界)の強さが時間とともに変化していく波です。こういった波は目には見えませんが、エネルギーの流れであり、これを用いて情報(音声や文字など)も送れます。音声などの情報は、マイクを通じて電気信号になり、この情報を電波の波に載せて、遠いところに送信できます。この電波をアンテナで受ければ、そこに電流が流れ、これを増幅して送られた情報を元に戻して利用するわけです。電波は、電磁波の中で1秒間に3×1012 回(3兆回/秒, 3 THz)以下の振動するものして電波法では決められています。(Hzは1秒当たりの波の振動回数を示す単位で、Tはテラとよみ、1012を表します。)

一般的な電子スピン共鳴(ESR)法では、9×109(90億、9 G(ギガ)Hzの電磁波を使います。この電磁波を試料に照射すると、電子スピンと反応して(相互作用といいます)、反射されてくる電磁波の変化から、情報を引き出すわけです。歴史的な経緯から、1 GHz帯をLバンド、9 GHz帯をXバンド、20 GHz帯をKバンド、35 GHz帯をQバンドと呼んでおり、ESR測定で用いられています。